Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

大建中湯は、慢性便秘症患者の便の硬さと下部消化管症状を有意に改善する

DOI: 10.1002/jgh3.12870

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【背景と狙い】大建中湯は、コリン作動性及びセロトニン作動性メカニズムに対する薬理作用があり、良好な安全性プロファイルと腹痛や膨満感などの下部消化管(GI)症状に対する改善効果があることが多くの基礎及び臨床研究により確認されています。本研究の目的は、慢性便秘に対する大建中湯の有効性と安全性を評価することである。

【方法】この多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験には、Rome III基準を満たす慢性便秘症患者63例が登録された。2週間の観察期間の後、症状が持続する63例を最終的に大建中湯またはプラセボによる4週間の治療コースに無作為に割り付けた。主要評価項目は、全体的な治療効果(OTE)のグローバル評価で、副次的評価項目は、便の硬さ、自発的な排便、便秘に関連する下部消化器症状、QOLの改善で構成されている。また、OTEに関連する因子も調査された。

【結果】大建中湯を4週間投与した結果、OTEはプラセボに比べ有意に高い値を示した。副作用は観察されなかった。大建中湯投与群では、便の硬さおよび下部消化管症状の有意な改善が観察された。下部消化器症状および便の硬さの改善は、OTEと関連していた。OTEは、治療前の精神的側面のQOLサマリースコアが正常値に近く、下部消化管症状がより改善した患者において高かった。

【結論】大建中湯は慢性便秘症に有効であり、特に便秘に関連する症状を有する患者において、精神的側面のQOLサマリースコアに障害がない場合に安全であることが確認された。

PMCID: PMC10037039 CiteScore: 1.9 Impact Factor: 1.7