Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

六君子湯は、ヒトにおいて、シスプラチンによる食欲低下を抑制する

 

doi.org

【背景】本研究の目的はヒトにおいて、グレリン分泌およびシスプラチンによる食欲低下に対する六君子湯の効果を評価することである。

【方法】本研究は交差法で行われ、10名の切除不能もしくは再発性の胃がん患者を無作為に2群に分けた。A群(5例)は、化学療法の第1期に六君子湯(2.5gを1日3回、経口投与)を併用し、第2期には併用しなかった。B群(5例)は、順番を入れ替えて行った。全ての患者は、S-1とシスプラチンによる化学療法を行った。主要評価項目は、経口摂食量、および食欲不振、吐き気、嘔吐スコア、副次評価項目は血漿アシルグレリン濃度とした。

【結果】六君子湯投与期間においては、シスプラチンによる血漿アシルグレリン濃度の低下は認められなかった。六君子湯投与期間における平均経口摂食量は、六君子湯非投与期間に比較し、有意に多かった。また、食欲不振の程度は六君子湯投与期間の方が、非投与期間に比較し軽いものであった。

【結論】六君子湯はシスプラチンによる食欲不振を防ぎ、シスプラチンを含む化学療法を効果的に行うことが可能になり、患者はスケジュール通り化学療法を継続することができた。

SJR: 1.03 PMID: 22235173 PMCID: PMC3254207