Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

補中益気湯の癌関連疲労に対する効果:予備的・無作為化比較試験

 

DOI: http://dx.doi.org/10.1177/1534735410383170

www.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】補中益気湯は中国、日本、韓国の伝統医学において幅広く使用されている植物製剤である。本研究の目的は、癌関連疲労に対する補中益気湯の有効性の検討である。 

【方法】癌関連疲労を有する患者40例を治療群または治療待機対照群に無作為に割り付けた。治療群には補中益気湯を2週間投与、対照群は2週間介入なしとした。 

【結果】治療群は疲労の重症度を評価するVAS-F(Visual Analogue Scale of Global Fatigue)において、統計学的に有意な疲労感の改善を示した(治療群 対 対照群:-1.1±2.1対0.1±0.9、p<0.05)。更にがん治療の機能的評価 - 一般(FACT-G)、がん治療の機能的評価 - 疲労(FACT-F)、およびTrial Outcome Index-Fatigue(TOI-F)も有意な改善を示した(FACT-G、3.7±9.9 vs. -2.4±9.5、p<.05;FACT-F、F、8.0±13.6 vs. -2.2±14.1、p<.05;TOI-F、6.5±9.2 vs. -0.5±10.9、p<005)。 

【結論】本研究結果から、がん患者のがん関連疲労QOLに対して、補中益気湯が有益性をもたらす可能性があることが示唆される。補中益気湯の有効性評価には、より厳格な試験が求められる。

Impact Factor: 2.657