Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

上腸間膜動脈血流に対する腹部の加温および漢方薬の影響 - 予備的研究

 

DOI: 10.1159/000317845

www.ncbi.nlm.nih.gov

【背景】日本や中国の伝統医学では、腹部を灸や漢方薬で温めることが、さまざまな病気に使われてきた。しかしながら、これらの療法が血行動態に与える影響は明らかではない。我々は上腸間膜動脈(SMA)の血流に対するこれらの療法の生理学的効果を明らかにする。

【参加者と方法】28名の健康な男性ボランティアをA群とB群に無作為に割り当てた。A群(n=14)は40℃の温度で20分間、臍傍の局所温熱刺激を受けた。これは灸の熱的および機械的圧力効果をシミュレートした。B群(n=14)は、蒸留水で漢方薬の大建中湯(TJ-100;5.0g)を服用した。対照群のC群(n=14)は蒸留水のみを服用した。 SMA内の血流量は、各介入の開始後、安静から50分後まで超音波によって測定した。

【結果】SMA血流量は、安静時と比較して、熱刺激の開始後10~40分で有意に増加し(p<0.05)、同様に大建中湯投与後10~50分で有意に増加した(p<0.01)。しかし、SMA血流量は、蒸留水単独の投与後には有意に変化しなかった。A群とB群の間でSMA血流変化に有意差はなかった。

【結論】結果は、熱刺激と漢方薬の伝統的な概念に従って腹部を温めることの生理学的効果の1つがSMA血流量の増加であることを示唆している。

Impact Factor: 1.039