Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

六君子湯の幽門輪温存胃切除術後患者の排出遅延に対する影響

 

DOI: 10.1007/s00268-008-9854-8

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【背景】胃癌には遠位胃切除術(DG)と幽門温存胃切除術(PPG)が採用されており、術後の生活の質に関してはPPGがDGより優れていると報告されている。しかしながら、これらの手術を受けた一部の患者は依然として胃のうっ滞に苦しんでいる。本研究では、PPGを受ける予定の患者に対する六君子湯の臨床効果を検討することを目的とした

【方法】大阪大学病院で早期胃癌のためにPPGを受ける予定の合計11例が登録された。患者は無作為交差試験として六君子湯7.5g/日の投与群、非投与群に割り当てられた。質問票と111 In標識液体シンチグラフィーおよび99m Tc標識固体シンチグラフィーを用いた排出試験を各治療期間の終わりに行った。

【結果】うっ滞関連症状は、六君子湯治療中に有意に減少した(p=0.043)。排出テストは、六君子湯が残された胃からの固形食を空にすることを改善した(p=0.0003)が、液体食の胃内容排出を促進しなかったことを示した。

【結論】六君子湯は胃内容排出を改善し、PPGを受けた患者の術後症状を改善した。

Impact Factor: 2.766 PMID: 19082653