Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

人工股関節全置換術後の術後浮腫、炎症に対する柴苓湯の有効性および安全性の評価

 

DOI: 10.1016/j.phymed.2006.12.024

www.sciencedirect.com

柴苓湯は、腎炎などの浮腫や炎症に用いられる漢方薬である。本研究では、股関節全置換術後の浮腫および炎症に対する柴苓湯の効果を検討した。セメントレスTHA施術患者を無作為に以下の2群に割り当てた:手術2日前及び術後2週間柴苓湯を9g/日を投与した患者8例(A群);柴苓湯非投与患者9例(B群)。下肢腫脹に有意な群間差は認められなかったが、A群はB群と比較し近位脚の腫脹が小さかった。更に術後3週間の下肢腫脹に関する各測定点から、柴苓湯は非投与群と比較し術後の腫脹を減少させる傾向が示された。A群の患者8例中6例の血清C-反応性タンパク質(CRP)濃度が低下し術後2週間でマイナスとなったが、B群では術後2週目のマイナスは認められなかった。結論として、柴苓湯は迅速なCRP低下を伴うTHA後の術後浮腫の予防および早期回復に有用であり、かつ安全な薬剤である。

Impact Factor: 3.610 PMID: 17292595