Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

小児のA型インフルエンザに対する麻黄湯の解熱効果

 

DOI: 10.1016/j.phymed.2006.09.015

www.sciencedirect.com

麻黄湯は古来よりインフルエンザ様症状治療に使われている漢方薬である。本研究はオセルタミビルと比較した小児のA型インフルエンザに対する麻黄湯の経口投与の有効性を検討した。インフルエンザ様症状を呈する5ヵ月から13歳までの小児60例の発熱から48時間までを評価した対照試験を実施した。A型インフルエンザの診断は、ウイルス分離またはRT-PCRによるウイルス遺伝子検出によって評価した。患者は以下の3群に割り当てた:麻黄湯 0.06g/kg 体重/用量 1日3回(n=17)、オセルタミビル 2mg/kg体重/用量 1日2回(n=18)または麻黄湯とオセルタミビル併用経口投与(n=14)。治療後の有熱の中央期間は、オセルタミビル単独群と比較し、麻黄湯単独群並びに麻黄湯・オセルタミビル併用群で有意に短かった(それぞれ15h[95% CI 13.2-22.1]p <0.01;18h[15.2-27.7]p<0.05;24h[23.5-43.0])。麻黄湯の経口投与は、小児におけるA型インフルエンザ感染による発熱抑制に有効であった。

Impact Factor: 3.610 PMID: 17141491