Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

健常日本人男性6名の血清アミノ酸濃度に対する六味丸単回投与の影響

 

doi.org

六味丸は頻尿、排尿障害や浮腫を含む腎疾患に対して効果的である。我々は過去に六味丸の長期投与が、腎不全の血中タンパク濃度及び浮腫を臨床的に改善すると報告した。本研究では六味丸による作用の要因の1つとして、アミノ酸並びにタンパク質含有量に焦点をあて検討した。市販されている六味丸は高濃度のアルギニン、アスパラギン酸、グリタミン酸、中濃度のアラニン、フェニルアラニン、セリン、そして低濃度のグリシンヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン並びにバリンを含有する。血中アミノ酸濃度に対する六味丸の影響を検討するため、日本人健常者6例に対して市販の六味丸、アミノ酸混合物ならびに乳糖を投与した。六味丸と同量のアミノ酸(10g)を含有したアミノ酸混合物及び乳糖を投与された健常者の血中中アミノ酸量はアルギニンを除き、薬剤投与した後6時間まで有意に低下した。一方で六味丸(10g)の単回投与は、血中のアラニン、アルギニン、グルタミン酸グリシン並びにセリンといった複数のアミノ酸濃度を増加させた。本研究で検討したほぼ全てのアミノ酸血中濃度は投与後1~2時間でピーク値を示し、治療後6時間でも基礎値を持続した。本結果からアミノ酸混合サプリメントと比較し六味丸は高濃度の血中アミノ酸濃度を維持することが可能であることから、アミノ酸サプライヤーとしての可能性が示唆される。

PMID: 17380019