Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

大建中湯による胃全摘および空腸パウチ間置再建法施行患者の消化管通過停滞改善作用

 

DOI: 10.1016/j.amjsurg.2006.01.022

www.sciencedirect.com

【目的】胃手術後は消化管運動を阻害し、術後の消化器症状および生活の質の低下(QOL)をもたらす。本研究の目的は、術後患者に対する大建中湯の腸管運動性およびQOLに及ぼす影響を検討した。

【方法】大阪大学医学部附属病院消化器外科で空腸嚢間置を伴う胃全摘術を施行した胃がん患者17例を対象とした。患者は無作為に大建中湯15g/日投与あるいは未投与に割り付けた交差試験に参加した。患者は各治療期間終了時にアンケートあるいは111In標識した液体および99mTc標識した固体試験食を用いた排出能評価を行った。大建中湯の有無の収縮活動を測定するため、患者6例に対してマノメトリーを実施した。

【結果】大建中湯により消化管通過停滞に関連した症状が有意に減少した(P=0.032)。排出能測定では、大建中湯はパウチからの液体(P<0.01)および固形食(P=0.015)両方の排出を促進した。大建中湯の経口投与によって収縮が有意に増加した(P=0.028)。

【結論】大建中湯は空腸パウチ間置再建術を施行した胃全摘患者の腸運動性を増加させ、術後症状の減少をもたらした。

Impact Factor: 2.141 PMID: 16769267