Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

妊娠初期の切迫流産に対する芎帰膠艾湯の有効性

 

DOI: 10.1142/S0192415X06004247

www.ncbi.nlm.nih.gov

本研究では、妊娠初期の切迫流産に対する芎帰膠艾湯の臨床的有効性を検討した。大阪医科大学附属病院で切迫流産と診断された妊婦72例を芎帰膠艾湯7.5g/日投与群36例とヒト絨毛性ゴナドトロピン(hcG)投与群(対照群)36例に無作為に割り当てた。子宮止血に要した日数は対照群(10.8±8.2日)と比較し、芎帰膠艾湯群は有意に短かった(2.9±3.5日、p<0.0001)。胎嚢周囲の組織間隙消失までの日数も対照群(23.2±12.8日)と比較し、芎帰膠艾湯群(9.9±7.1日)の短縮が確認された(p<0.0001)。更に胎嚢周辺の組織間隙サイズの変化において、芎帰膠艾湯群は投与7日目に長径・短径それぞれで対照群と比較し有意の縮小率が認められた(対照群vs.芎帰膠艾湯群:長径:7.5±3.8% vs. 42.3±10.5%:短径:15.3±16.8% vs. 71.5±48.2%)(p<0.0001)。本結果から、芎帰膠艾湯は妊娠初期の切迫流産の安定化に有用であることが示された。

Impact Factor: 3.12