Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

大腸内視鏡検査時の芍薬甘草湯直接噴霧による腸管痙攣抑制効果に関する客観的評価

 

dx.doi.org

【目的】大腸内視鏡検査における芍薬甘草湯の腸管収縮抑制効果を明らかにする。

【方法】大腸内視鏡検査スクリーニングを予定する患者111例を無作為に芍薬甘草湯群51例と生理食塩水の対照群50例に割り当てた。S状結腸から内視鏡を挿入後、収縮領域を特定し、内視鏡の先端部分を収縮部位から約10mmの距離を保って設置した。芍薬甘草湯または温生食水の直接散布前後の内視鏡像を記録した。画像解析ソフトを用いて収縮輪内腔を連続測定し、pixel数として計測した。血中濃度曲線下面積(AUC)はpixel分布曲線から計測した。ウィルコクソンおよびマンホイットニーU検定で統計学的有意性を評価した。

【結果】芍薬甘草湯散布前後の収縮領域の平均AUCはそれぞれ29,128pixelsと121,943pixelsであり、生理食塩水では31,635pixelsと48,617pixelsであった。したがって生食水と比較し、芍薬甘草湯散布後のAUCは有意な増加を示した(P<0.001)。

【結論】芍薬甘草湯の大腸粘膜直接散布は収縮抑制をもたらし、抗コリン作用薬が禁忌である場合の大腸内視鏡検査中に有用となり得る。

Impact Factor: 3.300 PMID: 16521190 PMCID: PMC4066127