Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

人参養栄湯は慢性C型肝炎におけるリバビリン誘発性貧血を緩和する:無作為化比較対照試験

dx.doi.org

【目的】リバビリン(RBV)は、インターフェロンと組み合わせて使用すると、C型肝炎ウイルスに対する強力な抗ウイルス効果を示す。しかし本療法ではRBV誘発性貧血が大きな問題となる。RBV投与量を減らさずに貧血を改善することは臨床的に非常に重要である。我々は漢方薬の人参養栄湯によるRBV誘発貧血軽減作用を報告する。

【方法】慢性C型肝炎患者23例をインターフェロンアルファ2b + RBVに加えて人参養栄湯投与(人参養栄湯群)または非投与(対照群)群に無作為に割り当てた。患者18例が治療スケジュールを完了し、血液生化学的およびウイルス学的効果を評価した。

【結果】2群間で生化学的およびウイルス学的応答における有意差は見られなかった。しかし対照群と比較し人参養栄湯群の貧血が有意に減少した。ヘモグロビン(Hb)の最大減少は、対照群(3.71±0.97g/dL)と比較し人参養栄湯群(2.59±1.10g/dL)が有意に小さかった(P=0.026)。血清グルタチオンペルオキシダーゼ活性、血清RBV濃度、およびTh1 / Th2バランスにおける2群間の有意差はなかった。人参養栄湯投与による副作用はなかった。

【結論】これらの結果から、慢性C型肝炎におけるRBV誘発性貧血の軽減に人参養栄湯が補助的治療薬として有用である可能性が示唆される。

Impact Factor: 3.411 PMID: 15996025 PMCID: PMC4502096