Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

低色素性貧血を有する子宮筋腫女性に対する当帰芍薬散の有効性と安全性の客観的評価

 

doi.org

子宮筋腫に伴う低色素性貧血治療における当帰芍薬散及び経口鉄製剤の有用性を前向きに研究比較した。本研究は子宮筋腫に起因する月経過多に関連した軽度ー中等度低色素性貧血と診断された患者25例を対象とした。患者は当帰芍薬散群(n=10)と鉄製剤群(n=15)に分けられた。患者はいずれかの薬剤を経口投与4週間および8週間の血球数、主観的症状および副作用の発生をモニターした。血球数および貧血の検査項目改善に関しては、鉄製剤群で顕著な改善が見られたが当帰芍薬散群では有意な改善は認められなかった。一方顔面蒼白、スプーン状の爪やめまいといった貧血の兆候並びに症状改善については、後者の群で有意な改善を示した。また当帰芍薬散群では月経過多、月経困難症、冷え、めまい、頭痛や肩こりなどの症状の改善も認められた。鉄製剤群では患者の80.0%に副作用が見られたが、当帰芍薬散群では有意な副作用は認められなかった。以上から、子宮筋腫に伴う軽度または中等度の貧血症状の改善に当帰芍薬散が有用であると考えられる。

Impact Factor: 0.293 PMID: 14513774