Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

うつ症状を示す閉経後女性に対するホルモン補充療法の補助療法としての温経湯の有効性

 

DOI: 10.1097/01.wnf.0000138634.34498.05

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】ホルモン補充療法(HRT)は更年期のうつ症状を改善するが、HRTに反応を示さない女性では効果的な補助療法として抗うつ薬を必要とする。本研究はHRTに抵抗性を示す更年期のうつ病症状に対して、HRTと併用した効果的な補助療法としての温経湯の影響を評価した。

【方法】HRT抵抗性の閉経後うつ病患者24例を無作為に1群(n=12)または2群(n=12)に割り付けた。1群には補助療法として温経湯を6ヶ月非盲検下で投与し、1ヶ月間のウォッシュアウト期間後に当帰芍薬散を6ヶ月間投与した。2群には当帰芍薬散を6ヶ月間投与後、1ヶ月間のウォッシュアウト期間の後に6ヶ月間温経湯を投与した。

【結果】3か月に及ぶ温経湯の投与は、治療前のZung自己評価式抑うつ尺度(ZSDS)、状態不安(STAI-1)、特性不安(STAI-2)スコアを有意に改善し、その効果は6ヶ月後も継続した。また温経湯は当帰芍薬散と比較し、3ヶ月後のZSDS、STAI-1、並びにSTAI-2スコアの有意に低下させ、この効果は6ヶ月後も継続した。

【結論】温経湯はHRT抵抗性の閉経後うつ病患者に対する補助療法として新たな治療選択肢となり得る。

Impact Factor: 1.370 PMID: 15319700