Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

黄体機能不全の補正に対する温経湯

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】黄体機能不全患者に対する温経湯の臨床的有効性を検討した。

【試験デザイン】本研究には黄体機能不全患者で温経湯(7.5g/日)治療群103例および対照群94例を対象とした。静脈血を採血し、血漿ゴナドトロピン、17β-エストラジオールおよびプロゲステロン値を測定した。主席卵胞サイズおよび子宮内膜厚は卵胞期後期に評価した。

【結果】温経湯は血中黄体形成ホルモン(LH)を有意に減少させ、卵胞期の17β-エストラジオールを有意に上昇、中間期のプロゲステロンを有意に増加(66.7%)させた(P<0.05)。温経湯治療群では主席卵胞(P<0.01)および子宮内膜厚(P<0.001)の有意な発達も観察された。 基礎体温で測定した黄体期の有意な延長(43%、P<0.001)も認められた。温経湯を投与した黄体機能不全患者の補正率は79.6%であった。さらに挙児希望患者の妊娠率は49.5%(41/83)であった。

【結論】温経湯はゴナドトロピン-卵巣内分泌系および/または卵胞期の相互作用を正常化させ、黄体機能不全患者の黄体期における内分泌環境を改善する可能性が示唆される。