八味地黄丸のヒト網膜中心動脈血流に及ぼす効果
DOI: 10.1142/S0192415X03001181
健常人12例を対象に、最新の超音波画像診断装置を用いて八味地黄丸またはプラセボ投与前後の網膜中心動脈の血流変化を評価した。八味地黄丸投与後、網膜中心動脈の最高流速、最低流速、平均流速で有意な増加が認められた。血管抵抗の変化は確認されなかった。八味地黄丸適応と考えられる対象者では、血流速度の顕著な増加を示した。プラセボ投与後の血流速度および血管抵抗に変化は見られなかった。八味地黄丸は老人性白内障などの眼疾患に使用される処方である。網膜中心動脈の血流速度低下は、種々の眼疾患の進展と比例することが指摘されている。八味地黄丸によって網膜中心動脈の血流速度が増加されたことは、八味地黄丸の眼疾患への有効性を示唆するものである。
Impact Factor: 3.12
