Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

半夏瀉心湯による進行性非小細胞肺がん患者のイリノテカン誘発性下痢予防効果

 

doi.org

【目的】β-グルクロニダーゼ阻害剤であるバイカリンを含有する半夏瀉心湯は、イリノテカン(CPT-11)によって誘発された下痢を緩和する。我々は半夏瀉心湯の併用治療によるCPT-11誘発性下痢の予防及び抑制を検討する無作為化比較試験を行った。

【方法】進行性非小細胞肺癌で未治療患者44例を無作為に割り当て、41例(半夏瀉心湯群18例、対照群23例)を評価対象とした。シスプラチンとCPT-11との組み合わせを化学療法レジメンとした。半夏瀉心湯(7.5g /日)は経口投与した。

【結果】患者41例中39例が下痢を発症した。 対照群と比較して半夏瀉心湯群は下痢グレード(P=0.044)並びに下痢グレード3および4の頻度が減少(患者1例対患者10例;P=0.018)し、有意な改善を示した。しかし下痢頻度または症状の持続日数に群間差は見られなかった。 本研究は中間評価で中止した。

【結論】半夏瀉心湯はCPT-11誘発性下痢の予防及び管理に有効である。

Impact Factor: 2.808 PMID: 12687289