Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

軽度から中等度の本態性高血圧患者における血清脂質、リポ蛋白、アポリポ蛋白に及ぼす漢方薬の効果

 

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軽度から中等度の高血圧症患者30例の血圧、脈拍数、血清脂質、リポタンパク質、アポリポタンパク質に及ぼす大柴胡湯と柴胡加竜骨牡蛎湯の効果を非盲検無作為化試験で検討した。薬物治療後の血圧に変化は見られなかったが、柴胡加竜骨牡蛎湯治療群では3ヶ月後に脈拍数が有意に低下した。両群の血清総コレステロールおよびトリグリセリド値は変化しなかったが、高密度リポタンパク(HDL)コレステロールが有意に増加した(P<0.05)。治療後3か月のApo-AI(柴胡加竜骨牡蛎湯 群P<0.1)およびapo-AII(大柴胡湯群 P<0.05、柴胡加竜骨牡蛎湯群 P<0.1)は増加傾向にあった。これらのデータから、いずれの漢方薬も降圧作用に影響を与えずに脂質代謝に対して優先的な効果を示すことが示唆される。