Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

妊娠悪阻治療に対する漢方薬の安全性と有効性

 

DOI: 10.1002/ijgo.12781

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】小半夏加茯苓湯、当帰芍薬散、半夏厚朴湯などの漢方薬の胎児に対する安全性および妊娠悪阻を呈する妊婦の入院短縮並びに医療費削減を検討した。

【方法】2005年1月1日から2016年12月31日にかけて産科医院または病院に出産入院した妊婦(19歳以上)のデータを抽出するため、日本医療データセンター(JMDC)のデータベースを使用した。対象患者は以下の3群に分類した:妊娠悪阻に漢方薬を使用、妊娠悪阻に他の薬物を使用および妊娠悪阻のない患者。安全性は新生児転帰(先天性異常、低出生体重、早産)を評価し、有効性は妊娠20週以内の妊娠悪阻による予定外入院と総医療費を評価した。

【結果】患者121,287例が対象となった。安全対策において有意な群間差は見られなかった。その他薬剤群と比較し、漢方薬群は予定外の入院患者の割合が有意に低く(オッズ比0.80、95%信頼区間[CI] 0.69-0.92)また総費用も低かった(係数[US $] 12.8、95%CI-23.2から-2.4)。

【結論】漢方薬は妊娠悪阻を伴う妊婦の予定外入院や医療費削減に寄与する可能性が示唆された。 

Impact Factor: 2.072 臨床試験登録番号: UMIN000032706