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漢方薬の代替医療からの脱出

認知症入院患者における催眠薬と骨折の発生:全国入院患者データベースを用いた対症例対照研究

 

dx.doi.org

【背景】病院での転倒や骨折を防ぐことは、老人医学において重要な問題である。睡眠薬の使用は高齢患者の転倒や骨折の潜在的な危険因子である。しかし、睡眠薬の使用と骨折の発生との関連についてのデータは不足している。
【方法】2012年4月から2013年3月までの12か月間に入院した50歳以上の認知症患者を含む、国内の1,057の病院を網羅した全国入院患者データベースを使用した。主要評価項目は、入院中の骨折の発生とした。 この対症例対照研究において、骨折のある患者とない患者の間で睡眠薬の使用について比較した。
【結果】140,494人の患者のうち、830人が院内骨折を患っていた。 年齢、性別、および病院による1:4マッチングにより、骨折のある817症例および骨折のない3,158症例がマッチした。 Charlson併存疾患指数、緊急入院、日常生活活動、および水平歩行のスコアを調整すると、短時間作用型ベンゾジアゼピン系催眠薬(オッズ比1.43、95%信頼区間1.19-1.73; P <0.001)、超短時間作用型非ベンゾジアゼピン系催眠薬(1.66; 1.37-2.01; P <0.001)、ヒドロキシジン(1.45; 1.15-1.82、P = 0.001)、リスペリドンおよびペロスピロン(1.37; 1.08-1.73; P = 0.010)でより高い骨折発生率が見られた。他の薬物群は院内骨折の発生との関連は有意でなかった。
【結論】短時間作用型ベンゾジアゼピン系催眠薬および超短時間作用型非ベンゾジアゼピン系催眠薬は、入院中の認知症患者における骨折のリスクを高める可能性がある。
Impact Factor: 2.766 PMID: 26061231 PMCID: PMC4465524