Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

ホットフラッシュを呈する女性における血中サイトカインレベルに対する漢方薬の効果

DOI: 10.1097/gme.0b013e3181e5063c

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

桂枝茯苓丸、加味逍遙散の血中サイトカインに対する効果について、ホットフラッシュを呈する女性で検討した。7例の閉経前、51例の閉経期、45例の自然閉経後、17例の外科的閉経後の女性でホットフラッシュを呈する女性のうち、漢方治療を希望した80例を無作為に桂枝茯苓丸群、加味逍遙散群に割り付けた(非盲検)。ホットフラッシュの治療を希望しなかった40例は6ヶ月追加観察し、対照群とした。桂枝茯苓丸、加味逍遙散に反応した者は、各々、73.7%、69.2%であった。桂枝茯苓丸を投与した患者では、血清中の単球走化性タンパク質1(MCP-1)が有意に減少した。一方、加味逍遙散を投与した患者では、IL-6、マクロファージ炎症性タンパク質1β(MIP-1β)が有意に低下した。両処方に反応した者では、血清IL-8が有意に低下した。以上のことから、両処方は、ホットフラッシュを呈する閉経期の女性において体温調節に関与するとされているIL-8を低下させることが明らかとなった。また、桂枝茯苓丸は閉経後の女性のMCP-1を低下させることが明らかとなった。

Impact Factor: 2.673