夜間頻尿に対する牛車腎気丸の臨床的有効性と忍容性
DOI: 10.1016/j.jtcme.2014.11.021
本試験はα1遮断剤もしくは抗コリン（ムスカリン受容体）剤で効果のない夜間頻尿患者30例に対する牛車腎気丸の有効性と忍容性を検討した。全症例にα1遮断剤もしくは抗コリン剤への追加治療として牛車腎気丸エキス剤2.5g×3回／日12週間投与した。自覚症状評価ではIPSS（国際前立腺症状スコア）とQOLスコア、良性前立腺肥大症影響スコア、他覚評価として尿回数、夜間尿産生速度が治療後有意な改善を示した。その他、最大尿流量、排泄後最大残留尿量、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド濃度、尿中8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン濃度には変化がなかった。有害事象は全症例の10%で発現したが、すべて軽度なものであった。牛車腎気丸はα1遮断剤もしくは抗コリン剤で効果のない夜間頻尿に対する代替治療薬として安全かつ有効である可能性が示唆された。牛車腎気丸の夜間頻尿の病態生理学的な作用メカニズム解明のため、今後更なる臨床研究が待たれる。
CiteScore: 2.65 PMID: 26870690 PMCID: PMC4737965
