Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

小児リンパ管腫に対する漢方薬の臨床的有効性:予備的研究

 

DOI: 10.1111/pde.12777

www.ncbi.nlm.nih.gov

【背景】リンパ管腫(LMS)は、一般的に頭頸部領域に影響を与え、著しく整容的並びに機能的な合併症を引き起こすリンパ系の先天性奇形である。本予備的研究では当該疾患に対して漢方薬を用いて治療した、小児リンパ管腫患者8例を報告する。

【方法】2009年1月から2014年5月までに、小児リンパ管腫患者8例(男児4例、女児4例)に、越婢加朮湯を単剤療法として経口投与した。

【結果】4症例は大嚢胞性、4例は大嚢胞性と小嚢胞性の混在したリンパ管腫であった。平均治療期間は、7.2±2.9ヵ月(範囲:5-12ヶ月)だった。磁気共鳴画像上の平均リンパ管腫体積収縮は、54.5±38.3%(大嚢胞73.6±27.0%、大嚢胞と小嚢胞混合は35.4±41.5%)だった。大嚢胞性病変4例中1例に顕著な減少があり、2例は中程度の減少があったが、1例は変化がなかった。4例中3例の小嚢胞と大嚢胞の混合症例で著しい減少が観察されたが、他1例は変化がなかった。重篤な有害事象は認められず、治療に対して良好な忍容性を示した。

【結論】本予備的研究は、越婢加朮湯の有効性を示している。本治療法のさらなる評価が必要である。

Impact Factor: 1.041 PMCID: PMC5066663