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漢方薬の代替医療からの脱出

便秘症の妊婦に対する大建中湯の有効性と安全性

 

DOI: 10.1016/j.tjog.2015.12.003

www.sciencedirect.com

【目的】妊娠中の女性にとって、便秘は一般的であり、かつ重大な問題となる。本研究の目的は、便秘症を訴える妊婦に対する大建中湯の有効性と安全性を検討することである。

【方法】本前向き試験は、2010年2月から2012年7月までに登録された20例を対象とし、登録日から28日間大建中湯7.5g/日を投与した。全例、便秘評価スケール(CAS)全項目を毎日記入することが求められた。更に、大建中湯による副作用を評価するためAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)、ALT(アラニン・トランスアミナーゼ)、血中尿素窒素、クレアチニン濃度の測定を行った。

【結果】大建中湯投与1日目から有意な改善が認められ、投与28日後のCASスコアは有意に低かった(p=0.019)。治療効果は妊娠第二期で最大であった(p=0.043)。大建中湯による重大な副作用は認められず、早産および妊娠高血圧発症の割合はそれぞれ10%と5%で、他の報告と同様であった。

【結論】便秘症を訴える妊婦に対する大建中湯の有効性と安全性を示した。本研究結果が、妊娠女性における便秘管理に役立つことを望むものである。

Impact Factor: 1.029 PMID: 26927243