末梢動脈疾患患者の生活の質に対する八味地黄丸の効果 - 漢方薬を用いた前向き研究
【方法】東京医科大学八王子医療センターの心血管外科に通院中のPAD患者のうち、間歇性跛行(IC)があり、かつPADの重症度が安定している患者を対象とした。登録期間は2014年4月から2015年3月までとし、八味地黄丸エキス製剤を6ヶ月間投与した。主要評価項目は、PAD患者のQOL評価指標として認められている歩行障害質問票(WIQ)スコアである。我々は、八味地黄丸投与前後のWIQスコアを評価した。
【結果】14例について解析した。WIQ項目の内、歩行障害(痛み)、歩行距離、歩行スピードが大幅に改善された。 更に、WIQ総スコアの中央値は、162.5点から308.0点へと有意に改善した。全ての患者で総スコアが改善し、14例中7人(50%)が100点以上の著しい改善を示した。
【結論】八味地黄丸はPADによるICを伴う患者のQOLを改善する可能性がある。
PMID: 28018500 PMCID: PMC5174988
臨床試験登録番号: UMIN000017332