Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

両側慢性硬膜下血腫に対する柴苓湯の術後投与の影響

 

dx.doi.org

 本後ろ向き試験の目的は、柴苓湯の両側慢性硬膜下血腫(B-CSDH)に対する作用を検討することである。2006年4月から2010年3月の間に、両側慢性硬膜下血腫 のために片側穿頭ドレナージを実施した計18例について検討した。手術をしていない側の術後の状況を、柴苓湯投与群(n=10)、非投与群(n=8)で評価した。柴苓湯投与群の2例、非投与群の4例は、最終的には反対側の外科手術が必要であった。柴苓湯投与群の8例を含む、残りの者は、手術側の処置の8週間の間には、さらなる外科手術は必要ではなかった。しかし、非投与群4例中2例は回復に時間を要した。柴苓湯には利水作用、抗炎症/ステロイド増強作用があると言われており、このことが、血腫の分解を促進した可能性が考えられる。B-CSDHの片側手術後には、柴苓湯投与は反対側の低密度CSDHの悪化を防ぎ、さらなる手術を不要にさせる可能性が考えられる。