Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

六君子湯が噴門側胃切除術後のQOLに与える影響

 

DOI: 10.1016/j.jss.2013.06.010

www.sciencedirect.com

【背景】噴門側胃切除術後の胃食道接合部の欠損は、逆流、食欲不振、体重減少のような様々な消化管症状を引き起こし、術後のQOLの障害となる。本研究で、我々は、噴門側胃切除術を受けた胃癌患者において、長期間のQOLと、六君子湯の消化管症状と血漿グレリンレベルへの影響を調べた。

【方法】6ヶ月以上前に噴門側胃切除術を受けた19名の患者を、本試験に登録した。血漿グレリンレベル、体重、食欲、GSRSスコアを、六君子湯投与前と投与4週間後に調べた。治療前にGSRSスコアが2以上で、消化管症状を示した患者において、サブグループ解析を行った。

【結果】患者の体重は、六君子湯投与後に、有意に増加した。食欲と血漿アシルグレリン、ジアシルグレリンレベルは、どれも有意に影響されなかった。サブグループ解析では、腹痛、酸逆流、下痢、便秘のサブスケールスコアが有意に改善したため、平均の総GSRSスコアは、六君子湯投与前の 2.6±0.6 から、投与後の 1.9±0.7 に有意に改善した。

【結果】長期間のQOLは当病院で噴門側胃切除術を受けた患者で、よく保たれていた。治療前のGSRSスコアが2以上の患者では、六君子湯は、胃切除後症候群の症状を有意に改善し、その効果は、血漿グレリンレベルと無関係であった。

Impact Factor: 2.187 PMID: 23856127