Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

急性上気道感染に伴う咽喉痛に対する桔梗湯の即効性

 

DOI: 10.1515/jcim-2013-0052

www.ncbi.nlm.nih.gov

【背景】桔梗湯は急性上気炎に伴う咽頭痛を緩和するために、経験的に日本で用いられている。しかし、桔梗湯の臨床効果を明らかにした研究はほとんどない。本試験は、急性上気道炎に伴う咽頭痛に対する効果を調べるために、実施された。

【方法】2012年1月から3月の間に、筑波メディカルセンター病院総合診療科で急性上気道炎と診断された、咽頭痛の患者が登録された。患者は2.5gの桔梗湯を、1杯の温湯に溶かして服用した。主要評価項目は、桔梗湯服用10分後のVASにおける咽頭痛スコアの変化とした。副次評価項目は、桔梗湯服用30分後のVASにおける咽頭痛スコアの変化と、10分後および30分後の咽頭通の日常生活への影響の度合い(無、軽度、中等度、重度)とした。

【結果】40例の患者が解析対象となった。平均VASスコアは、治療前は48.2±18.2で、治療10分後は35.4±18.1、治療30分後は30.7±19.3(両時点ともp<0.001)と、有意に減少した。日常生活における、中等度もしくはそれ以上の咽頭痛の患者の割合は、67.5%であったが、服用10分後には37.5%、30分後には30%と、有意に減少した(両時点ともp<0.001)。どの患者にも副作用の報告はなかった。

【結論】桔梗湯は急性上気道炎に伴う咽頭痛を緩和する。

CiteScore: 1.41 臨床試験登録番号: UMIN000007080