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漢方薬の代替医療からの脱出

最晩発性統合失調症様精神病の治療に対する抑肝散の効果:非盲検試験

 

DOI: 10.1016/j.phymed.2013.01.007

www.sciencedirect.com

統合失調症は、全ての年齢群に影響を与えるが、晩発性または最晩発性統合失調症様精神病は、あまり研究されておらず、さまざまな治療の問題はまだ解決していない。本研究の目的は、認知障害がない最晩発性統合失調症様精神病を呈する診断上均一な高齢者患者群において、抑肝散単独療法の有効性と安全性を評価することであった。最晩発性統合失調症様精神病の最近のコンセンサス基準と、統合失調症の基準であるDSM-IV-TRの両方をみたす、平均年齢 73.1±4.8 歳の40名の患者を、抑肝散(2.5-7.5g/日)投与前と、4週間投与後に、簡易精神症状評価尺度、臨床全般印象重症度尺度、陽性・陰性症状評価尺度で評価した。さらに、異常運動を、Simpson-Angus尺度、Barnes アカシジア尺度、異常不随意運動評価尺度で評価した。全ての患者で、精神病的症状の全ての評価項目で、非常に有意な改善(p<0.001)がみられた。抑肝散は全ての患者で非常に認容性があり、臨床的重大な有害事象はみられなかった。全ての異常運動評価尺度のスコアは、抑肝散投与前と投与後で有意な変化はなかった。予備的結果によると、抑肝散は最晩発性統合失調症様精神病の治療に、有効で安全な植物薬であると思われる。

Impact Factor: 3.610 PMID: 23453830