機能性ディスペプシア治療における六君子湯の効果
16例の機能性ディスペプシア（FD）患者に六君子湯を14日間服用させ、服用前後の変化を観察した。消化器症状評価のためのスケールであるGastrointestinal Symptom Rating Scale（GSRS）のトータルスコアには有意な変化は認められなかったが、GSRSの15種の症状のうち3つ（腹痛、胸焼け、腹部膨満）は六君子湯投与により有意に減少した。体外超音波法により、400mlまでの液体食摂取後の近位の胃の膨膨率を測定したところ、摂取した液体食の量にかかわらず、六君子湯投与により胃は有意に膨張した。胃内容物排出速度（GER）、運動指数（MI）は、六君子湯投与により有意に増加したが、弛緩指数（RI）には変化は認められなかった。これらの結果は、六君子湯が胃適応性弛緩や胃運動に障害のあるFD患者に有用であり、また、FDやGERDに有用であることを示している。
Impact Factor: 0.817 PMID: 20962437
