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漢方薬の代替医療からの脱出

クローン病患者の手術による寛解維持に対する大建中湯の効果:258例のレトロスペクティブ解析

DOI: 10.1007/s00595-013-0747-6

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【目的】多くの研究がなされているが,クローン病に対する最適な術後療法は未だ確立されていない。我々は,クローン病患者を対象に,術後の大建中湯による維持療法が3年後の再手術率に及ぼす影響をレトロスペクティブに検討した。

【方法】クローン病で手術を受けた患者258名を対象とした。術後再発予防のため、患者を5-アミノサリチル酸、アザチオプリン、大建中湯の投与に層別化し、3年後の再手術予防効果を評価した。

【結果】258例中、44例が病勢再発のため3年以内に腸管切除の再手術を要した。3年後の再手術率は、大建中湯群が非大建中湯群より有意に低く(11.3 vs. 24.5 %,P = 0.01)、同様に術後5-アミノサリチル酸群が非5-アミノサリチル酸群より有意に低かった(14.8 vs. 29.6 %,P = 0.0049 )。多変量Cox解析では、クローン病患者において,術後大建中湯(P=0.035)および術後5-アミノサリチル酸(P=0.022)が3年後の再手術率と有意かつ独立に関連することが明らかとなった。

【結論】我々は、クローン病患者における術後再手術の予防のための維持療法として、大建中湯の継続的な治療が臨床的に有用であり、実現可能であることを提案する。

Impact Factor: 2.501 PMID: 24129965 PMCID: PMC4097200