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漢方薬の代替医療からの脱出

非感染性乳腺炎に対する葛根湯と抗生物質使用および外科的ドレナージとの関連: 全国規模のデータベース研究

DOI: 10.1111/jog.15810

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】葛根湯は、非感染性乳腺炎患者のうっ滞乳汁を改善し、乳房の炎症を改善するために経験的に処方されている。我々は、非感染性乳腺炎患者において、葛根湯の早期使用が抗生物質の使用や外科的ドレナージの減少と関連するかどうかを調査した。

【方法】2012年4月から2022年12月までの間に、産後1年以内に非感染性乳腺炎と初診診断された患者34,074例を、全国のJMDCクレームデータベースを用いて同定した。非感染性乳腺炎の初診日に葛根湯を投与された患者(n=9,593)と投与されなかった患者(n=9,648)をそれぞれ葛根湯投与群(n=9,593)と対照群(n=9,648)に分けた。両群における非感染性乳房炎の初回診断後30日以内の抗生物質投与および外科的ドレナージを、傾向スコア安定化逆確率治療重み付け分析を用いて比較した。

【結果】非感染性乳房炎の初回診断後30日以内の抗生物質投与頻度は、対照群よりも葛根湯群で有意に低かった(10% vs 12%;オッズ比、0.88[95%信頼区間、0.80-0.96])。初診後1~3日および4~7日の抗生物質投与頻度も、対照群に比較して葛根湯群で有意に低かった。外科的ドレナージの頻度は両群間で有意差はなかった。

【結論】葛根湯は、非感染性乳房炎に対する抗生物質投与の減少と関連しており、乳房の炎症を和らげ、抗菌薬管理を促進するための治療選択肢となりうる。

CiteScore: 2.8 Impact Factor: 1.6