Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

晩発性性腺機能低下症の症状を有する患者における柴胡加竜骨牡蛎湯またはテストステロン投与後のサイトカイン値の変化について

DOI: 10.3109/13685538.2010.502268

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

本研究の目的は、晩発性性腺機能低下症(LOH)関連症状の患者に対して、柴胡加竜骨牡蛎湯またはアンドロゲン補充療法(ART)を行った後の血漿サイトカイン量を評価することであった。本研究では、LOH関連症状を有する40歳以上の患者31例を対象とした。性腺機能正常の患者15例には柴胡加竜骨牡蛎湯を1日3回、合計7.5g/日経口投与し、性腺機能低下症の患者16例にはエナント酸テストステロン125mgを2週間ごとに1回筋肉内注射し、ARTを行った。テストステロンと18種類のサイトカインの血漿レベル、およびAMS(Aging Males' Symptoms)スケールによるLOH関連症状を、治療前と治療後2ヶ月以上にわたって比較した。ART群では、治療後にAMSの総スコアが低下し、テストステロンが有意に増加した。サイトカイン変数には、治療後に有意な変化は見られなかった。柴胡加竜骨牡蛎湯群では、AMS総スコアが有意に減少したものの、テストステロンには変化がなかった。サイトカインの評価から、インターロイキン(IL)8、IL-13、インターフェロン-γ、腫瘍壊死因子-αに有意な増加が見られた。柴胡加竜骨牡蛎湯は、ARTとは全く異なるサイトカインの有益な効果により、性腺機能正常の患者におけるLOH関連症状を改善する可能性があると結論付けた。

Impact Factor: 2.398 CiteScore: 4.1