Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

大黄を含む漢方薬への曝露と主要な先天性奇形との間に関連はない: 日本のデータベース研究

doi.org

大黄を含む漢方薬は、妊娠中の便秘に処方されているが、妊婦への使用に関する詳細な安全性情報は不足している。本研究の目的は、妊娠初期における大黄を含む漢方薬の処方と新生児の先天性奇形との関連を明らかにすることであった。日本の大規模な健康保険請求データベースを用いて、妊娠3カ月前から出産日まで同じ健康保険組合に加入し、2010年から2019年の間に出産した妊婦、およびその乳児に関するデータを有する妊婦を対象とした。また、妊娠初期に便秘によく使われる酸化マグネシウム(MgO)を処方された妊婦とその乳児を対照として抽出した。妊娠第1期に処方された大黄含有漢方薬と乳児の主要先天奇形(MCM)との関連を多変量ロジスティック回帰分析を用いて検討した結果、妊娠第1期に処方された大黄含有漢方薬と乳児の主要先天奇形(MCM)の関連は認められなかった。75,398例の乳児のうち、4,607例(6.1%)が生後1年以内にMCMと診断された。さらに、MgOを処方された女性から生まれた乳児は9,852例で、そのうち680例(6.9%)がMCMを発症し、大黄含有漢方薬を処方された女性から生まれた乳児は450例で、そのうち28例(6.2%)がMCMを発症していた。多変量ロジスティック回帰分析により、2種類の処方の間にMCMリスクの差はないことが確認された[粗オッズ比(OR)0.895、95%信頼区間(CI)0.606-1.322、調整OR 0.889 、95%CI 0.599-1.320]。結論として、妊娠第1期に大黄含有漢方薬またはMgOを処方された者の間で、MCMのリスクは変わらなかった。

PMID: 37033629  PMCID: PMC10073577

Impact Factor: 5.988 CiteScore: 6.6