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漢方薬の代替医療からの脱出

放射線誘発口腔口内炎に対する凍結療法と半夏瀉心湯の有効性: 予備的研究

doi.org

【背景・目的】放射線誘発性口内炎は、頭頸部がん患者における主な急性障害の一つである。その治療はしばしば遅延または中止されるため、周術期の口腔機能のコントロールが必要である。これまで、半夏瀉心湯と凍結療法が口内炎とそれに伴う痛みを緩和することが報告されている。今回、頭頸部がん患者における放射線誘発性口内炎に対する半夏瀉心湯と凍結療法の併用効果について初めて検討した。

【患者および方法】頭頸部がん患者50例を対象に、抗がん剤を併用した放射線療法を行った。年齢、癌の進行度、総放射線量、併用する抗がん剤の種類で一致させ、2群に分けた。一方の群には氷半夏瀉心湯を経口投与し、もう一方の群には経口投与しなかった。口腔粘膜損傷は、米国国立がん研究所のグレード分類CTCAE v4.0(日本版JCOG版)で評価した。放射線誘発性口内炎の持続時間は、グレード1の発赤が出現してから消失するまでの時間で判断した。

【結果】氷半夏瀉心湯は、放射線による口内炎を有意に緩和し、発症を遅延させ、持続時間を短縮させた。

【結論】放射線誘発性口腔口内炎に対して、半夏瀉心湯と併用した凍結療法は有効である。