慢性連日性頭痛および薬物乱用頭痛に対する急性および予防薬としての漢方薬の有効性:単群後ろ向き研究
【序論】慢性連日性頭痛(CDH)は、1か月に15日以上、3か月以上連続して発生する一連の頭痛を含む。漢方薬と西洋薬を組み合わせたCDHのハイブリッド治療戦略の有効性を遡及的に調査した。
【方法】遡及的に43例の連続した初診のCDH患者を調査した。漢方薬は、西洋の急性・予防薬に加えて、患者の症状に合わせて、五苓散、呉朱萸湯、葛根湯の3種類の漢方薬を処方した。頭痛インパクトテスト-6(HIT-6)、毎月の頭痛日数(MHD)、毎月の片頭痛日数(MMD)、および毎月の急性投薬摂取日数(AMD)を、ハイブリッド治療の開始前、開始後1か月および3か月に評価項目として評価した。
【結果】女性36例と男性7例が含まれた。年齢の中央値は51歳だった。9例は慢性片頭痛(CM)、22例は突発性片頭痛と緊張型頭痛(EM+TTH)、12例は慢性TTH だった。27例は、薬物乱用頭痛 (MOH)も持っていた。治療前、治療後1か月、3か月のHIT-6の中央値は、それぞれ63、48、40だった。MHDはそれぞれ20、5、2。MMDはそれぞれ2、0、0。AMDはそれぞれ15、0、0。HIT-6、MDH、MMD、AMDの有意な減少は、漢方治療開始から1か月後と3か月後に観察された。サブグループ解析で、EM+TTHおよびMOH患者でも同様の傾向が観察された。
【結論】CDHに対する漢方薬と西洋薬のハイブリッド治療戦略は、迅速な効果を持ち、急性および予防薬の両方の点で安全で効果的である。
PMID: 35769688 PMCID: PMC9233981