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漢方薬の代替医療からの脱出

立位での頭の回転または伸展によって引き起こされるめまいに対する釣藤散の有効性:後ろ向き研究

https://seronjihou.files.wordpress.com/2022/04/292105.pdf

【目的】立位での頭の回転や伸展によるめまいに対し、釣藤散が有効であることを証明することを目的とした。
【デザイン】UMIN Clinical Trials Registry(ID: 000045757)に登録された単一施設後ろ向き研究。
【材料と方法】2016年10月から2021年3月までに東京医科大学茨城医療センターを受診し、釣藤散を投与された 26例のめまい患者(年齢範囲37歳から89歳、女性8名)が研究に含まれた。有効群(釣藤散の効果に満足)と無効群(不満)に分類した。立位での頭の回転または伸展によって引き起こされるめまい患者の割合を、これら2群間で比較した。
【結果】立位での頭の回転または伸展によってめまいが誘発される頻度は、有効群で高かった(75% vs. 10%、p=0.002)。釣藤散のみを投与された患者と比較して、有効群では有意に割合が高かった(80% vs. 0%、p=0.024)。
【考察/結論】釣藤散は、立位での頭部の回転または伸展によって引き起こされるめまいの治療に有用である。おそらく、釣藤散の椎骨脳底動脈の血流改善効果によるものと思われる。