妊娠中のうつ病に対する漢方薬の安全性
DOI: 10.1002/ijgo.14237
【目的】大規模な医療管理データベースを使用して、うつ病の妊婦に投与する場合の、半夏厚朴湯、香蘇散、女神散、抑肝散加陳皮半夏、柴胡桂枝乾姜湯、甘麦大棗湯などの漢方薬の胎児の安全性を明確にする。
【方法】出産のために産科クリニックまたは病院に入院した 19歳以上の妊婦を対象としたこの後ろ向きコホート研究のために、JMDC 請求データベース(2005-2018)からデータを抽出した。参加者は、うつ病でない人、薬を使わずにうつ病と診断された人、うつ病に漢方薬を投与された人、うつ病に西洋薬を投与された人の4群に分類された。新生児転帰(先天異常、低出生体重、および早産)は、安全転帰尺度として考慮された。
【結果】対象となった母親は、179,707名であった。有害転帰は、妊娠中に漢方薬を投与された参加者とうつ病と診断されなかった参加者の間で有意差はなかった。低出生体重児の割合は、漢方薬群と非うつ病群の間で有意差はなかったが (調整オッズ比[aOR]1.28;95%信頼区間[CI]0.86-1.91)、 非治療うつ病群(aOR 1.31;95% CI 1.07-1.61)および西洋薬群(aOR 1.47;95% CI 1.18-1.83)で有意に高かった。
【結論】漢方薬は、先天異常、低出生体重児、または早産の発生率を増加させることなく、妊娠中のうつ病の治療に安全である。
Impact Factor: 4.447