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漢方薬の代替医療からの脱出

高齢便失禁患者における大建中湯の有効性と安全性:前向き研究

doi.org

【目的】この研究では、便失禁(FI)の高齢患者における大建中湯の有効性と安全性を調査した。

【方法】これは、非盲検の単群試験(UMIN臨床試験登録番号は、UMIN000030252)だった。15g /日の大建中湯を28日間患者に経口投与した。ミニメンタルステート検査で11点以上を獲得し、経口摂取が可能で、書面によるインフォームドコンセントが提供された、FIの70歳以上の患者がこの研究に登録された。腹痛と腹部膨満、クリーブランドクリニック失禁スコア(CCIS)、FI生活の質スケール(FIQLS)、最大静止圧(MRP)、FI頻度および便性状の変化を評価した。

【結果】合計21例(1例が離脱を余儀なくされた)がこの研究に登録された。服薬遵守率は95.2%であり、重篤な副作用は認められなかった。腹痛と腹部膨満の点で改善が2週間で観察された(p<0.01)。CCISでは、合計スコア、固形便の漏出、および液体便の漏出が2週間後に改善し(p<0.01)、パッドの使用とライフスタイルの変更が4週間後に改善した(p<0.05)。 FIQLSの改善も2週間で観察された(p<0.01)。 MRPは2週間で有意な改善を示した(p<0.01)。 11例(52.4%)には、研究期間中にFIは認められなかった。

【結論】大建中湯は腹部症状のある患者のMRPと生活の質を改善する。さらに、FIの高齢患者にとって安全で効果的な薬であると考えられる。

PMID: 35128135 PMCID: PMC8801247