Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

難治性慢性便秘症の女性患者の不安を管理する上での加味帰脾湯の有効性と安全性

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【背景と目的】慢性便秘症の患者の不安の有病率は特に高く、このような人々は必ずしも腸管を対象とした通常の治療に満足しているわけではない。漢方薬は、これまで日本の不安神経症神経症の治療に広く使用されてきた。難治性の慢性便秘症と不安神経症の女性患者を対象に、加味帰脾湯を12週間経口投与した単群非盲検予備的試験を実施した。

【試料と方法】不安と消化器症状に関する検証済みの症状質問票[感情プロフィール検査第2版(POMS2);状態・特性不安検査(STAI);および消化器症状評価尺度(GSRS)]は、研究の来院時に完了した。血漿、唾液、および便のサンプルも評価して、ストレスと炎症に関連する臨床生理活性物質のレベル、酸化レベル、メタボロームプロファイル、および腸内細菌叢を評価した。

【結果】24例がこの研究を完了した。不安は4週間と12週間で有意に減少し(POMS2の緊張不安サブスケール、p=0.006およびp=0.039;STAIの特性不安スコア、p<0.001およびp=0.034)、GSRSスコアの合計は 12週間で有意に減少した(p=0.039)。血漿中の標的メタボロミクスは、O-ホスホエタノールアミンなどの心理的症状に関連するいくつかの代謝物が有意な変化を示した。このコホートでは、ストレスと炎症に関連する臨床生理活性物質の治療前と治療後のレベル、酸化レベル、および腸内細菌叢の間に有意差は見られなかった。重篤な有害事象は発生しなかった。

【結論】加味帰脾湯は慢性便秘症患者の心理的症状と胃腸症状を改善した。有効性の発現と並行して、加味帰脾湯はいくつかの不安関連代謝物を調節した。加味帰脾湯は安全で忍容性が高かった。

PMID: 34974326 CiteScore: 3.2 Impact Factor: 2.446