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漢方薬の代替医療からの脱出

乳児の肛門周囲膿瘍に対する切開排膿と排膿散及湯治療の有効性の評価:多施設共同研究

doi.org

【目的】乳児の肛門周囲膿瘍(PA)に対する切開排膿(ID)と排膿散及湯(TJ-122、株式会社ツムラ、東京、日本)治療の短期転帰を遡及的に比較した。

【方法】3年間にわたってPAを呈した連続した48例(年齢中央値129日;範囲19-330日)を遡及的に調べた。1群は診察時にIDで治療された26例で構成され、2群は診察時に排膿散及湯の経口投与で治療された22例で構成された。膿瘍部位の化膿性分泌物が消失し、硬結が解消するまで経口治療を続けた。

【結果】PAは、診察時に48例すべてで診断された。フォローアップ期間の中央値は26か月(範囲13〜40か月)だった。診察時には、性別、年齢、出生時体重、症状の持続期間、皮膚の侵食、または下痢の有病率に2群間で差はなかった。化膿性分泌物は、2群では中央値26日(範囲7〜42日)で解消したが、1群では40日(範囲4〜196日)持続した。硬化は、2群では中央値39日(範囲7-91日)で解消したが、1群では70日間(範囲4〜308日)持続した(p=0.04)。

【結論】排膿散及湯治療は、乳児のPAの治療においてIDよりも有益だった。

PMID: 25331231 Impact Factor: 1.878