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漢方薬の代替医療からの脱出

感染後嗅覚障害の治療施行患者における経時的回復と予後因子:後ろ向き研究

DOI: 10.1177/0003489420922563

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】本研究の目的は、当帰芍薬散で治療されたPIOD患者の嗅覚回復の時間経過と予後因子を明らかにすることだった。

【方法】PIOD患者の後ろ向きコホート研究を、患者の医療記録を検討することによって実施した。この研究には、当帰芍薬散または当帰芍薬散と硫酸亜鉛の併用を投与された患者が登録された。嗅覚機能は、3か月ごとのフォローアップ訪問時に、T&T嗅覚計によって検査した。正常および軽度の嗅覚機能障害のある患者は除外された。性別、年齢、治療、最初の訪問までの罹病期間および最初の来院時のT&T嗅覚計の嗅覚機能スコアを、回復の臨床予測因子候補として分析した。

【結果】16歳から79歳までの合計82例のPIOD患者が登録された。フォローアップの平均期間は14.5ヶ月(範囲3〜45ヶ月)だった。嗅覚回復のある患者数は24ヶ月間増加し、累積回復率は77.3%だった。患者の約60%で、嗅覚の回復は6か月以内に起こった。多変量解析では、より若い年齢(<65歳)と残存嗅覚機能が良好な嗅覚回復と有意に関連していることを示した。

【結論】PIOD患者の経時的な回復率を明らかにした。嗅覚機能の回復は、しばしば初期(6ヶ月以下)に起こった。しかし、嗅覚が回復した患者の数は、最初の訪問から24か月の長期にわたって増加した。残存嗅覚機能と年齢の若さは正確な予後因子だった。当帰芍薬散は、PIOD患者にとって有用な治療薬となる可能性がある。これらの結果は、PIOD患者のカウンセリングに役立つ重要な情報を提供すると信じている。

CiteScore: 2.100 Impact Factor: 1.284