Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

子宮内膜症患者の月経困難症に対する低用量経口避妊薬への当帰芍薬散追加療法の有効性

DOI: 10.1111/jog.14424

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】当帰芍薬散は、月経困難症、月経不順、更年期障害を治療するため日本人女性に人気の漢方薬の代表である。一方で、現在の主要な症状の第一選択薬として使用されているホルモン療法と低用量経口避妊薬(OC)は、患者の満足度を改善することなく有害事象の発生率が高くなっている。治療の満足度が低下したOCを服用している患者の生活の質(QOL)に対する追加治療としての当帰芍薬散の有効性を評価した。

【方法】子宮内膜症のためにOCで治療された12例が登録された。OCと組み合わせた当帰芍薬散(7.5g/日)は、3つの月経周期で投与された。主要評価項目は、子宮内膜症健康プロファイル-30(EHP-30)を使用して評価されたQOLの程度とした。二次評価項目は、月経困難症質問票(MDQ)、リッカート尺度と冷感-視覚アナログ尺度(VAS)を使用した患者の満足度とした。

【結果】EHP-30では、月経周期ごとの当帰芍薬散とOC療法による有意な変化は見られなかったが、痛みと感情的幸福のスコアは減少する傾向があった。MDQでは、月経前段階の体液貯留が改善された。冷感VASに関して、投与前で61.6mmが終了時点で31.3mmに減少した。当帰芍薬散投与後のリッカート尺度の平均値は4.3から2.6に減少した。冷感や患者の満足度が向上した。

【結論】当帰芍薬散追加療法のQOLへの影響は中程度だったが、冷感および月経関連症状の改善の可能性が示唆された。

Impact Factor: 1.392