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漢方薬の代替医療からの脱出

婦人科悪性腫瘍のリンパ節郭清後の下肢リンパ浮腫に対する五苓散の治療効果:症例集積研究

doi.org

【背景】下肢リンパ浮腫(LLL)は、骨盤リンパ節郭清を含む婦人科がん治療の慢性的かつ進行性の合併症である。この研究は、LLL患者の利水に使用されている五苓散の治療効果を調査することを目的としている。

【方法】2018年に当院でLLLと診断された患者が含まれ、主に弾性衣服やリンパドレナージなどの複雑なうっ血除去療法(CDT)で治療された。CDTと五苓散の併用療法を受けた患者(CDT-G群)には、五苓散エキス顆粒が処方され、1日3回、経口で7.5gが投与された。五苓散を処方されていない患者は、CDTのみを受けた(CDT群)。リンパ浮腫の重症度は、四肢の円周によって計算された推定四肢容積と、体内全水分量(TBW)に対する細胞外液(ECW)の比率によって評価された。

【結果】骨盤リンパ節郭清後にLLLになった19例の女性が研究に含まれた。CDT群およびCDT-G群の患者数は、それぞれ8例と11例だった。治療前の患者の特徴とLLLの重症度に関して、CDT群とCDT-G群の間に統計的有意差はなかった。介入後のCDT-G群(全身および罹患した下肢)におけるECW/TBWの減少は、CDT群よりも著しく顕著だった。

【結論】五苓散を基本とした漢方治療は、後腹膜リンパ節郭清後のLLL患者に有効である可能性がある。

CiteScore: 2.900 Impact Factor: 1.813

PMID: 32382298 PMCID: PMC7183524