Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

加味逍遥散の更年期症状に対する効果:無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験

doi.org

【目的】日本では漢方薬が、特に更年期医学の分野で広く使用されている。ただし、根拠に基づく効果を示した研究はほとんどない。この研究は、無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験により、更年期症状に対する加味逍遥散の効果を確認することを目的としている。

【方法】被験者は、加味逍遥散(n=101)または加味逍遥散に似たプラセボ(n=104)を投与された群にランダムに割り当てられた。主要評価項目は、ほてりの回数、うつ病のスコア、不安の改善、QOL(Quality of Life)、および更年期症状の変化であり、治験薬による治療開始前および開始後4および8週間に評価した。副次評価項目は薬物の安全性とした。

【結果】8週間後、ほてりの回数は両群で治療後に減少したが、2群間に有意差はなかった。 SDSスコアの変化も同じ結果を示した。さらに、STAI、SF-36、およびJSOGの更年期指数による評価では、2群間に有意差は観察されなかった。重篤な副作用は報告されていない。

【結論】加味逍遥散を使用したこの最初のプラセボ対照二重盲検無作為化試験は、それが安全で、更年期症状にいくらかの影響があるが、プラセボと比較して有意ではないことを示した。更年期症状の漢方治療の研究において、プラセボ効果などのいくつかの問題が明らかになった。この研究は臨床研究登録番号で登録されている。 UMIN 000006042

CiteScore: 2.900 Impact Factor: 1.813 PMID: 32733592 PMCID: PMC7369656