Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

婦人科悪性腫瘍手術後のイレウスの発症に対する大建中湯の予防効果

DOI: 10.1111/ajco.13329

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【背景】術後イレウスは腹部外科手術の主要な合併症である。この研究の目的は、悪性腫瘍の婦人科手術を受けた患者のイレウスの発症に対する大建中湯の予防効果を調査することであった。

【方法】この遡及的研究には、2004年から2018年の間に後腹膜リンパ節郭清とともに後腹膜を開くことによって悪性腫瘍の婦人科手術を受けた合計904例が含まれていた。後腹膜はすべての患者で縫合されなかった。イレウスを発症した患者の割合(術後イレウス発症の頻度)、イレウス発症のタイミング、およびイレウスの治療タイプについて、以下の3群間で比較を行った:術後3日間、腸内ガスが出なかった場合にガスを放出するために浣腸または下剤で治療した群(A群、n=152);後腹膜の開口部に癒着阻害吸収バリアで治療された群(B群、n=188);そして、癒着抑制吸収バリアと1日あたり7.5gの大建中湯を経口摂取した群(C群、n=564)。

【結果】イレウス発症の頻度は、A群(16.4%)と比較してB群(4.8%)とC群(3.5%)の両方で有意に減少した。さらに、イレウス発症の頻度はB群に比べてC群で有意に少なかった。治療の種類では、保存療法のみで治療に成功したイレウスの頻度はB群とC群で同じだった。手術を必要としたイレウスは、A群(2/152)およびB群(3/188)と比較して、C群(2/564)で45%減少した。

【結論】結果は、大建中湯が悪性腫瘍の婦人科手術後の重篤イレウスの発症を防ぎ、さらに患者のQOLの向上に貢献することを示唆している。

Impact Factor: 2.012