Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

アトピー性皮膚炎に伴う慢性段階の苔癬化に対する桂枝茯苓丸の有効性

DOI: 10.5402/2012/158598

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov


アトピー性皮膚炎(AD)は、かゆみの再発エピソードと慢性再発過程を伴うよくみられる炎症性皮膚疾患である。桂枝茯苓丸は、5種類の生薬で構成される漢方薬であり、日本では血液が停滞している患者に投与されている。この研究では、AD患者(n=45)の疾患活動性に対する桂枝茯苓丸の影響を調査した。AD患者には、処方薬に加えて桂枝茯苓丸を4〜6週間投与した。結果、桂枝茯苓丸の投与後、SCORADインデックスとVASスコアが有意に減少した(P<0.01)。 桂枝茯苓丸はまた、血清LDHレベルを有意に減少させた(P<0.01)。SCORADインデックスでの臨床反応の全体的な評価では、中等度の改善以上の反応を示した患者(n=26)の88.5%で苔癬化スコアが高かった(SCORADで苔癬化スコア≥2)。一方で、改善なしから軽度の改善の患者(n=19)では、苔癬化スコアが高かったのは42.1%のみだった。さらに、桂枝茯苓丸の9〜67週間の長期投与は、苔癬化スコアが高い患者で顕著な改善を示した。したがって、特に苔癬化病変を呈する症例では、桂枝茯苓丸がADに対して有効であることがわかった。

PMCID: PMC3504367