Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

自覚的な寒冷刺激により悪化した帯状疱疹後神経痛に対する漢方薬-桂枝加朮附湯およびブシ末-の効果:症例集積

DOI: 10.1089/acm.2010.0745

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】60歳以上の患者の帯状疱疹後神経痛(PHN)は、寒冷刺激下で悪化し、治療が難しいことが報告されている。桂枝加朮附湯とブシ末は漢方薬であり、寒冷刺激後に悪化する神経痛と関節痛の治療に長い間使用されてきた。この研究は、自覚的な寒冷刺激により悪化したPHNの症例における桂枝加朮附湯とブシ末の併用療法の有効性を評価するために計画された。

【計画】60歳以上の15例のPHN患者が検査された。患者は他の治療にもかかわらず持続的な痛みを認識していた。痛みは通常、低温刺激にさらされた後に悪化した。最初に、桂枝加朮附湯(7.5g/日)が患者に投与され、次にブシ末(1.0g/日)も投与され、安定した改善が達成されるまで、2〜4週間ごとに0.5〜1.0gずつ徐々に増加し、ビジュアルアナログスケール(VAS)を使用して評価した。鎮痛効果は、各患者の外来中にVASを使用して評価した。

【結果の測定】バックグラウンド変数、治療への反応(VAS評価の時間経過、VAS改善率)、追加のブシ末投与量、および副作用を解析した。

【結果】15例の患者のうち12例が試験全体を完了した。患者の年齢は61〜85歳、男性と女性の比率は4:8、帯状疱疹の発症後の期間は2〜92か月だった。3例では、ほてりまたは胃の不快感のために桂枝加朮附湯経口投与は不可能だった。桂枝加朮附湯とブシ末の両方を経口投与されている患者のVAS改善率は76.5±27.7%(平均±標準偏差)だった。追加のブシ末用量は1.0-5.0g/日だった。12例は深刻な副作用なしに治療された。

【結論】桂枝加朮附湯とブシ末の併用治療は、冷刺激下で痛みを悪化させると自覚的に訴える傾向がある難治性のPHNを治療する有望な手段である。

Impact Factor: 2.109