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漢方薬の代替医療からの脱出

アルツハイマー病患者の認知症の行動および心理症状の治療における抑肝散加陳皮半夏湯の有効性と安全性:非盲検予備的研究

doi.org

これまでの臨床試験では、認知症の行動および心理的症状(BPSD)の治療に対する抑肝散の有効性が実証されている。ただし、抑肝散と2つの追加生薬で構成される抑肝散加陳皮半夏によるBPSDの治療については、根拠が少ない。本研究は、アルツハイマー病(AD)患者のBPSDを治療するための抑肝散加陳皮半夏の有効性と安全性を調査するために行われた。BPSDを示し、「興奮」、「不安」、「過敏性」、および「睡眠と夜間の行動変化」のサブスケールスコアを含むNeuropsychiatric Inventory(NPI)スコアが3を超える軽度から中等度のADの外来患者を登録した。 1日用量7.5gの抑肝散加陳皮半夏を12週間投与し、同時に抗認知症薬を投与した。BPSDは、ベースライン時および介入中4週間ごとにNPIを使用して評価した。日本語訳アパシースケール、Zarit介護負担尺度の日本語短縮版、および日常生活の活動を予測するための改訂クライトン評価スケールを使用して、アパシーを評価した。認知機能障害は、Mini Mental State ExaminationとAD Assessment Scale-Cognitive(日本語版)を使用して評価した。5例の参加者が登録された。NPI合計スコアは、抑肝散加陳皮半夏介入中にベースラインと8週間の評価の間で減少する傾向があった(Wilcoxonの符号付き順位検定、P=0.063)。NPIサブスケールスコアに関しては、「アパシー」、「興奮」、「妄想」、および「睡眠と夜間の行動変化」は、ベースラインで各症状を示した症例で介入後に減少した。調査した他のスコアに有意差はなかった。深刻な有害事象は観察されなかった。抑肝散加陳皮半夏は、興奮、不安、過敏性、および睡眠と夜間の行動変化を伴う軽度から中等度のAD患者のBPSDを改善でき、忍容性は良好だった。

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