Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

木防已湯の臨床評価:日本と中国の伝統的な心不全治療薬

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脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の血中濃度の測定によって、心機能の程度や心不全の重症度の評価が可能である。我々は心不全症例に対し木防已湯を投与し、臨床症状の評価と血中BNPの測定を行い、木防已湯の心不全に対する効果を検討した。NYHA分類2〜3度の心不全12例を対象とした。木防已湯エキス顆粒(ツムラ)7.5g/day投与前、投与後について心不全症状や血中BNP濃度の他に胸部X-Pの心胸郭比、心エコーによる心駆出率、収縮期血圧拡張期血圧、脈拍について検討した。不整脈の出現が2例にみられ投与を中止した。残りの10例については、心胸郭比、心駆出率、収縮期血圧拡張期血圧、脈拍には変化はみられなかったが、NYHA分類の改善と血中BNP濃度の低下が認められた。自覚症状の改善は9例(75.0%)が得られた。木防已湯の投与により自覚症状の改善が得られるとともに、血中BNPの有意な改善もあり、心不全に対する木防已湯の投与は有用と考えられた。